SURE for All Children - 東京学芸大学こどもの学び困難支援センター

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第1回公開研究会のご報告

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先日、第1回公開研究会が行われ、当センター客員准教授の野田先生から児童虐待とこどもの学び困難についてご報告をいただきました。参加してくださった皆様に心より感謝申し上げます。これからもこどもを支える仲間として繋がりの輪を持っていければ幸いです。

以下は、加藤 奈津希さん(東京学芸大学・4年生)の感想文です。

【第 1 回公開研究会 感想】

研究会:子どもの学び困難支援センターsure 第1回公開研究会にて
報告者:NPO 法人 み・らいず2 野田満由美先生
内容:虐待を背景とした子どもの学びの困難さ/教育現場(高校)における支援の実際/支援からの気づき

今回の公開研究会を通して「児童虐待」と「子どもの学び困難」との関係に関して、幼少期からの経験の乏しさが学校における教科学習等の修得の難しさにつながることもあり得 ると知った。具体的には幼少期における絵本の読み聞かせやごっこ遊び、配る/分ける/取り 出す等の「数える」といった体験・経験がないと、学校において教科を学ぶ際にも言葉や数 のイメージがつかず、「授業が分からない」「面白くない」といったことにつながり得るので はないかということだった。また、虐待を受けた経験のある子どもの多くは、親の感情や気 分によってルールが変わってしまうことが多々あることから、人から「ルールを守ってもら った」という体験が育ちづらい。このことが、非行や生徒指導に対する反抗等につながる可 能性もあり得ると知った。

以上のような虐待(とまではいかずとも、適切な子育てがなされない)背景には、「子育て 観」の世代ギャップがあるのではないかという野田先生の言葉が私は印象的だった。親が育 ってきた社会や環境、「子育てはこうあるべきだ」という価値観と現代における子育て観と ではギャップがある。「自分が受けた子育ては自分も子供にしていく」「自分は虐待を受けた 経験があるから、子供には絶対に手を出したくないけれども、どうやって子育てしていけば いいか分からない」といった親もいる。だからこそ、適切な子育てを学ぶ機会を提供するこ とが、虐待の予防につながり得るだろうということを学んだ。また、虐待の予防として挙げ られる「学び」「生活力」をつけていくサポートに関しては、親に対してのアプローチも考 えられるが、高校生に対するアプローチ(学校で学ぶこと、生活力を身に付ける学習内容)が 虐待を連鎖させないことにもつながるのではないかと考えた。

次回のご案内

第2回公開研究会は7月22日(金)17時30分から予定しております。こども虐待に対する民間団体の支援に続いて、第2回では公的団体(児童養護施設、児童自立支援施設)での支援について当センター専門研究員の大竹先生、松下先生からご報告いたします。皆様のご参加心よりお待ちしております。

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