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「こども基本法」によって何が変わる?〜後編〜

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「こども基本法案」が令和4年6月15日に国会で可決成立し、令和5年4月1日に公布されます。

この法律がどのような法律なのか、子どもの虹情報研修センター(日本虐待・思春期問題情報研修センター)の増沢先生に伺いました。

インタビュー記事前編はこちら

ー前半の記事では、すべての子どもにとっての最善の利益を補償していく姿勢が大人には求められるというお話を伺いました。

そうですね、ただマイノリティの声は、聞こえにくいです。

虐待を経験した子どもだけでなく、発達障害児も訴える力が弱いことが知られています。

赤ちゃんもそうですよね。でも訴えを出しにくい子どもも意見表明権を持っていて、今までは気にもされなかった声にも耳を傾け、その子に合った関わりを考えることも必要となってきます。

また、こども基本法には「差別の禁止」に関しても表記があります。差別は絶対だめなのは、当たり前のこととして理解されていると思います。

国民はみんな「差別をしている」と思っていないんです。そんな認識もないうちにマイノリティの子どもたちは社会の中で差別的に扱われているということなんですね。

そんな現状やその子の声を伝えていく役割がアドボケーター(意見表明支援員)です。これは今回の児童福祉法の改正でその位置づけが明記されました。

ーこれから具体的にどんな支援やサービスが求められていくのでしょうか? 

行政では、様々な子どもにあったサービスを提供できるようにサービスの拡充を行うことが求められます。

学校の先生は、特別な配慮やプログラムが必要なわけではなくて、その子の背景をしっかりと理解した上で、日頃のちょっとした配慮や気遣いが何より大事だと思います。

例えば、プリントを出さない、忘れ物の多い子。実は親御さんが精神疾患を持っていてネグレクト状態になっていたり、アルコール依存でお母さんがずっと酔っているような家庭だったら、子どもはお母さんにプリントなんて渡せませんし、その日に必要な道具をきちんと用意してもらえないのだって理解できると思います。

でもそういうことが理解できていなければ、学校でその子は叱られるわけです。そんな不条理を何度も繰り返すことで自尊心が低下し、深刻な問題へと発展する可能性があります。

結果として次の世代の虐待にもつながっていきます。

そうならないために、別の方法でプリントが届くようにしたり、朝に職員室で授業に必要なものを貸してあげるとか、そういう小さな配慮こそ必要な支援だと思います。

日本の権利は、少しずつですが、改善されていると思います。

この「こども基本法」もそのひとつだと思いますし、これを契機に子どもの権利について意識が向上していくことを期待しています。

今回は「こども基本法」の制定によって何が変わるのか?について、2回に渡って増沢先生のインタビューをお届けしました。

増沢先生、ありがとうございました!